マネーフォワード
クラウド会計を法人で利用する場合、アカウントを作るだけでなく、事業者情報、会計期間、消費税、開始残高、金融機関との連携を正しく設定する必要があります。
初期設定に誤りがあると、試算表や決算書、消費税集計にも影響します。本記事では、法人が新規登録して記帳を始めるまでの流れを、実務上の注意点とともに解説します。
本記事は2026年8月14日時点の公式情報をもとにしています。画面名や操作手順は変更されることがあるため、実際の画面と公式サポートもあわせてご確認ください。
最初に準備する資料
次の情報・資料を準備してから登録すると、設定途中で迷いにくくなります。
- 会社名、所在地、法人番号
- 設立日と決算月
- 銀行口座・法人カードの情報
- 設立時の資本金と入出金明細
- 固定資産の請求書や契約書
- 2期目以降から導入する場合は前期の貸借対照表
- 他ソフトから移行する場合は勘定科目・残高・仕訳データ
1.マネーフォワード
IDを登録する
登録画面で「無料で使ってみる」を選び、メールアドレスを入力します。基本的な流れは次のとおりです。
- メールアドレスを入力し、規約に同意する
- 届いた確認コードを入力する
- パスワードを設定する
- 新しい事業者を作成する
- 事業者区分で「法人」を選ぶ
アカウントは会社で継続管理できるメールアドレスで作成します。担当者個人のパスワードを社内で使い回す運用は避けましょう。
公式手順:マネーフォワード
クラウドの新規登録方法
2.法人の事業者を作成する
事業者区分で「法人」を選び、会社名などを登録します。公式案内によると、会社名を入力した際に国税庁の法人番号データと一致すると、都道府県等の情報が反映される場合があります。
同じアカウントで複数の事業者を管理している場合は、入力先を取り違えないよう、画面上の事業者名を毎回確認してください。
公式手順:事業者の新規作成方法
3.事業者情報・会計期間・消費税を設定する
「各種設定」→「事業者」から、法人の基本設定を行います。主な確認項目は次のとおりです。
- 会社名・住所などの事業者情報
- 会計期間
- 消費税の課税形式
- 消費税の経理方式や端数処理
- 製造原価科目の利用
- 減価償却費の記帳方法
特に会計期間と消費税設定は、帳簿や申告に直接影響します。他の会計ソフトから移行する場合は、原則として移行元と同じ税設定になっているかを確認します。
免税・課税、本則課税・簡易課税、税込・税抜経理などが不明な場合は、届出書や過去の申告書を確認し、税理士へ相談してください。
公式手順:事業者の初期設定
4.銀行口座・クレジットカードを連携する
銀行口座やクレジットカードを連携すると、利用明細を取得し、仕訳候補として活用できます。
連携時には、対象が法人用口座であることを確認してください。個人用口座を混ぜると、事業取引と私的取引の区分に時間がかかります。
また、自動取得された明細は「未処理の会計情報」です。勘定科目、税区分、取引先、摘要などを確認してから仕訳登録します。
公式手順:金融機関・サービスの連携登録
5.開始残高を登録する
開始残高は、利用開始時点の預金、売掛金、借入金、資本金などの残高です。
設立初年度から利用する場合
資本金の払込み、会社設立前後の費用、役員による立替、創立費・開業費、借入金などを整理します。設立時の通帳だけでは判断できない項目もあるため、領収書や契約書もあわせて確認します。
2期目以降から利用する場合
前期の貸借対照表をもとに、当期首の残高を登録します。移行元の勘定科目と移行先の勘定科目が異なる場合は、対応関係を決めてからインポートします。
仕訳データを移す場合は、開始残高と仕訳の両方に同じ金額が入っていないか、移行後の試算表で照合してください。
6.必要に応じて有料プランを登録する
無料利用の範囲を確認したうえで有料プランを契約する場合は、サービス画面からプラン、年額・月額、支払カードなどを設定します。
料金だけでなく、利用人数、部門管理、仕訳承認、必要なサポートなど、自社の運用に必要な機能で選びましょう。
公式手順:Web版サービスの有料プラン登録
7.担当者・税理士との利用体制を決める
経理担当者や顧問税理士と共同利用する場合は、利用者ごとにアカウントと権限を設定します。
次の点を決めておくと運用が安定します。
- 明細の確認・仕訳登録を行う担当者
- 承認や月次締めを行う責任者
- 税区分や固定資産を確認する担当者
- 退職・担当変更時に権限を停止する管理者
パスワードの共有ではなく、利用者ごとの招待・権限管理を基本としてください。
設定後の確認チェックリスト
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 事業者 | 正しい法人の事業者を選択しているか |
| 会計期間 | 定款・登記上の事業年度と一致しているか |
| 消費税 | 課税形式、経理方式、端数処理が届出状況と合うか |
| 口座連携 | 法人用の銀行・カードを連携したか |
| 開始残高 | 前期決算書、通帳、借入金残高等と一致するか |
| 移行データ | 勘定科目や税区分の変換を確認したか |
| 重複 | 開始残高と仕訳を二重計上していないか |
| 権限 | 担当者ごとに必要な権限を設定したか |
まとめ
マネーフォワード
クラウド会計の導入では、口座連携や自動仕訳の前に、事業者・会計期間・消費税・開始残高を正しく設定することが重要です。
特に、2期目以降から導入する場合は、前期末残高との一致と、移行データの重複確認が欠かせません。判断に迷う税務設定を推測で選ばず、顧問税理士と確認してから記帳を開始しましょう。
新星パートナーズ会計事務所
代表・税理士 井河 伸郎
税務・会計に関する記事は、専門家の立場から内容を確認しています。
本記事は、一般的な情報の提供を目的としています。個別の取引や税務上の取扱いについては、契約内容や事実関係によって判断が異なる場合があります。また、掲載内容は記事作成時点の情報に基づいています。最新の情報は、各サービスの公式サイトや関係機関の公表資料をご確認ください。

