マネーフォワード クラウドを法人で利用する場合、主な選択肢は「ひとり法人プラン」「スモールビジネスプラン」「ビジネスプラン」の3つです。料金だけで決めるのではなく、利用人数、年間仕訳数、部門管理、AI-OCR、振込データ作成など、実際の運用に必要な機能を確認することが大切です。
この記事では、2026年8月14日時点の公式情報を基に、3プランの料金と主な違い、会社の状況に応じた選び方を税理士事務所の視点で整理します。表示価格は特記がない限り税抜です。
法人向け3プランの料金比較
| プラン | 年払い | 月払い | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| ひとり法人 | 29,760円/年 月額換算2,480円 |
3,980円/月 | 代表者1名で運営する、取引の少ない法人 |
| スモールビジネス | 53,760円/年 月額換算4,480円 |
5,980円/月 | 利用者3名以下の小規模法人 |
| ビジネス | 77,760円/年 月額換算6,480円 |
7,980円/月 | 4名以上の利用や高度な会計機能が必要な法人 |
いずれのプランも年払いは月払いより年間18,000円安くなります。継続利用が決まっている会社は、年払いを選ぶ方が基本料金を抑えられます。
クラウド会計の主な機能差
| 比較項目 | ひとり法人 | スモールビジネス | ビジネス |
|---|---|---|---|
| 会計の利用人数 | 1名 | 3名まで | 3名まで基本料金内 4名以上は追加可能 |
| 年間仕訳数 | 500件まで | 制限なし | 制限なし |
| 部門登録 | 2部門まで | 2部門まで | 無制限 |
| 部門階層 | 1階層まで | 1階層まで | 2階層まで |
| AI-OCRから入力 | 月30件まで | 月60件まで | 月100件まで 101件以上は20円/件 |
| 振込FBデータ作成 | 利用不可 | 利用不可 | 利用可 |
| 帳簿残高と口座残高の突合 | 利用不可 | 利用不可 | 利用可 |
結論:どのプランを選ぶべきか
代表者1名で年間仕訳500件以内なら「ひとり法人」
代表者1名だけで利用し、1会計年度の仕訳数が500件以内に収まる法人には、ひとり法人プランが有力です。スモールビジネスと同等の会計機能を低価格で利用できます。
ただし、管理コンソールに登録する利用者も原則1名に限定されます。また、仕訳数が年間500件を超える会社には向きません。月平均では約41件が目安ですが、決算整理仕訳や給与・売上連携による仕訳も含め、余裕を持って見積もる必要があります。
3名以内で標準的な経理を行うなら「スモールビジネス」
経営者、経理担当者、外部専門家など複数人で利用し、部門管理が2部門までで足りる小規模法人には、スモールビジネスプランが適しています。会計の年間仕訳数に上限がなく、ひとり法人プランの500件制限を気にせず利用できます。
一方、振込FBデータ作成や帳簿残高と口座残高の突合、高度な部門管理が必要な場合は、利用人数が3名以内でもビジネスプランを検討します。
4名以上または高度な管理機能が必要なら「ビジネス」
会計利用者が4名以上になる会社、部門を3つ以上登録する会社、部門を階層管理する会社にはビジネスプランが適しています。振込FBデータの作成や帳簿残高と口座残高の突合も利用できます。
ビジネスプランの会計ユーザーは3名まで基本料金に含まれ、4名以上は1名につき月額300円の従量課金です。経費、給与、勤怠など他サービスは、基本料金に含まれる人数と追加単価がそれぞれ異なるため、会社全体で利用するサービスを確認して総額を試算しましょう。
料金だけでなく確認したい5つのポイント
1.利用人数はサービスごとに数え方が異なる
マネーフォワード クラウドは、会計だけでなく、請求書、経費、給与、勤怠、社会保険、年末調整など複数のサービスをまとめて利用できます。ただし、基本料金に含まれる人数や従量課金の基準はサービスごとに異なります。
たとえばビジネスプランでは、クラウド会計は4名以上、クラウド経費は6名以上から従量課金の対象です。基本料金だけで判断せず、実際に登録・利用する人数をサービス別に整理する必要があります。
2.税理士等の士業アカウントは会計の人数計算から除外される
一定の士業アカウントは、クラウド会計とクラウド請求書の従量課金対象人数から除外されます。顧問税理士を招待するためだけに、上位プランへ変更する必要があるとは限りません。
3.年間仕訳500件の判定は余裕を持つ
ひとり法人プランでは、1会計年度あたりの仕訳登録数が500件までです。銀行やクレジットカードの明細数だけでなく、売上、給与、減価償却、決算整理などの仕訳も考慮します。年間500件を超える可能性がある場合は、最初からスモールビジネス以上を選ぶ方が運用しやすくなります。
4.部門数と部門階層を確認する
ひとり法人とスモールビジネスでは、部門登録は2部門、部門階層は1階層までです。店舗別、事業別、地域別など3部門以上で損益を管理したい場合や、部門を階層化したい場合はビジネスプランが必要です。
5.キャンペーン価格を通常料金と混同しない
期間限定キャンペーンでは、ギフトカード還元などにより実質負担額が下がる場合があります。ただし、キャンペーンには契約期間、申込時期、仕訳登録数などの条件があります。長期的な比較は、還元前の通常料金を基準に行うのが安全です。
年払いと月払いの選び方
年払いは3プランとも月払いより年間18,000円安くなります。無料トライアルで操作性を確認し、継続利用が決まった後は年払いが合理的です。一方、短期間でプラン変更やサービス変更の可能性が高い場合は、契約条件と変更時の精算方法を確認してから選びましょう。
プラン変更時には、契約の残期間に応じた留保金が次回請求へ充当される場合があります。変更前に管理画面の請求額を確認することをおすすめします。
よくある質問
ひとり法人プランは設立1年目しか利用できませんか?
公式サイトでは新設法人1年目向けとして案内されていますが、重要なのは契約条件を満たすことです。利用可否は申込画面の最新条件で確認してください。
税理士を招待すると利用人数が増えますか?
クラウド会計とクラウド請求書では、要件を満たす士業アカウントは利用人数のカウント対象外です。通常のユーザーとして追加すると扱いが異なるため、士業向けの招待方法を利用します。
会計だけ使う場合も基本料金は同じですか?
法人向け基本料金には複数のバックオフィスサービスが含まれています。会計だけを使う場合でも基本料金は変わりません。将来、請求書や給与なども連携するかを含めて検討するとよいでしょう。
まとめ
代表者1名・年間仕訳500件以内なら「ひとり法人」、利用者3名以内で標準的な会計機能を使うなら「スモールビジネス」、4名以上の利用や高度な部門管理、振込FBデータ作成などが必要なら「ビジネス」が基本的な選び方です。
ただし、最適なプランは会計の利用人数だけでなく、経費、給与、勤怠などを利用する人数や必要機能によって変わります。契約前に、利用サービス・人数・仕訳数・部門数を一覧にして比較しましょう。
最終確認日:2026年8月14日。料金・機能は変更されることがあります。契約前にマネーフォワード クラウド公式料金ページで最新情報をご確認ください。
新星パートナーズ会計事務所
代表・税理士 井河 伸郎
税務・会計に関する記事は、専門家の立場から内容を確認しています。
本記事は、一般的な情報の提供を目的としています。個別の取引や税務上の取扱いについては、契約内容や事実関係によって判断が異なる場合があります。また、掲載内容は記事作成時点の情報に基づいています。最新の情報は、各サービスの公式サイトや関係機関の公表資料をご確認ください。

