新星パートナーズ会計事務所のホームページリニューアルでは、ページを作り直して公開した後にも、多くの作業が残っていました。
検索エンジンに新しいページの存在を伝えること、古いページを訪れた人を新しいページへ案内すること、サイトがどのように利用されているかを確認できるようにすることなどです。
前回の記事「静的サイトとWordPressを一体運営するまで」では、事務所サイトとはくちょうジャーナルのデザインと導線をそろえた過程を紹介しました。
今回は、ホームページ公開後に行ったSEOとアクセス解析の初期設定について、実際に確認したことや注意した点を振り返ります。
公開しただけでは検索エンジンに伝わらない
新しいページを公開すれば、検索エンジンがすぐに見つけてくれるとは限りません。
特に今回のように、ページ構成やURLを大きく変更した場合は、次の状態が同時に発生します。
- 新しく作成したページがある
- 内容を変更したページがある
- URLを変更したページがある
- 廃止したページがある
- 静的サイトとWordPressの両方にページがある
利用者には新しいホームページが表示されていても、検索エンジンには以前の情報が残っている可能性があります。
そこで、公開後の作業を「検索エンジンへ伝える設定」と「利用状況を確認する設定」に分けて進めました。
XMLサイトマップを確認した
最初に確認したのがXMLサイトマップです。
XMLサイトマップは、サイト内にどのようなページがあるかを検索エンジンへ伝えるための一覧です。利用者が見るサイトマップとは目的が異なります。
今回のサイトは、事務所案内やサービスページを掲載する静的サイトと、記事を掲載するWordPressで構成されています。そのため、必要なページがサイトマップに含まれているか、反対に検索結果へ出す必要のないページが含まれていないかを確認しました。
サイトマップを用意するだけで検索順位が上がるわけではありません。しかし、新しいページを検索エンジンに見つけてもらうための基本的な入口になります。
Search Consoleで登録状況を確認した
次に、Google Search Consoleへサイトマップを送信しました。
Search Consoleでは、検索エンジンがサイトをどのように認識しているかを確認できます。今回、主に確認したのは次の項目です。
- サイトマップを読み込めているか
- 新しいページが登録されているか
- ページの取得時にエラーが起きていないか
- 検索結果に表示できない理由がないか
- 以前のURLが残っていないか
主要なページについてはURL検査を行い、公開したページをGoogleが取得できる状態かを確認したうえで、必要に応じてインデックス登録をリクエストしました。
登録をリクエストしても、必ずすぐ検索結果に表示されるわけではありません。公開直後に何度も操作するのではなく、まず取得できる状態を整え、その後の変化を待つことも必要でした。
古いURLから新しいページへ転送した
リニューアルでは、サービス構成の変更に伴って、役割を終えたページやURLを変更したページもありました。
古いURLをそのまま削除すると、検索結果や外部サイト、過去の記事、ブックマークから訪れた人に「ページが見つかりません」と表示されます。
そこで、内容を引き継ぐ新しいページがあるものについては、古いURLから新しいURLへ転送する設定を行いました。
転送先を決める際は、単にすべてをトップページへ送るのではなく、旧ページの内容に最も近いページを選びました。
例えば、旧サービスを新しいサービスへ統合した場合は、そのサービスの説明ページへ転送します。一方、対応する内容がないページまで無理に転送すると、訪問者が期待した情報と異なるページへ移動してしまいます。
URLの整理では、次の確認も必要でした。
- 転送先のURLが正しいか
- 転送が繰り返されていないか
- 古い内部リンクが残っていないか
- 新しいページが正常に表示されるか
- 本当に削除してよい旧データか
転送設定は検索エンジンのためだけでなく、以前のページを知っている利用者を迷わせないための作業でもあります。
GA4でアクセスを確認できるようにした
検索エンジンへの設定と並行して、Google Analytics 4(GA4)によるアクセス解析も整えました。
アクセス解析を行う目的は、単に訪問者数を増やすことではありません。利用者がどのページを読み、どのようにサイト内を移動しているかを確認し、改善につなげることです。
今回のサイトでは、事務所サイトとはくちょうジャーナルを一体的に運営しています。そのため、記事を読んだ後にサービスページへ移動したか、お問い合わせページまで進んだかを確認できることが重要です。
設定後は、自分でサイトを閲覧し、リアルタイムの画面にアクセスが反映されるかを確認しました。コードが入っているだけではなく、実際にデータを受信できているかまで確認する必要があります。
お問い合わせ完了を計測した
ページ閲覧数だけでは、ホームページが相談につながっているかは分かりません。
そこで、お問い合わせフォームの送信が完了したときに、generate_lead というイベントが記録されるようにしました。
設定後は、テスト送信を行い、GA4でイベントが受信されることを確認しました。
この確認では、フォームの画面が切り替わるだけでなく、次の一連の流れを見る必要があります。
- 入力内容を送信できる
- 完了画面が正常に表示される
- 事務所側でメールを受信できる
- 送信者へ自動返信メールが届く
- GA4にお問い合わせ完了が記録される
ホームページ上では送信できたように見えても、メールが届いていなければ相談を受け付けられません。リニューアル中にはフォームが一時的に送信できなくなる問題もあったため、公開後の実送信テストは特に重要でした。
数字はすぐに結論を出さず、変化を見ていく
アクセス解析を導入すると、公開直後から数字が気になります。しかし、短期間の少ないデータだけで良し悪しを判断することはできません。
まずは計測が正しく行われている状態を作り、その後、一定期間の変化を確認します。
今後は、次のような点を見ていく予定です。
- どの記事が読まれているか
- 記事からサービスページへ移動しているか
- スマートフォンで離脱しやすいページがないか
- 検索結果で表示されるページが増えているか
- お問い合わせにつながる導線が機能しているか
数字を確認する目的は、毎日の増減に一喜一憂することではありません。利用者が必要な情報へたどり着けているかを考え、次の修正に役立てることです。
AIは確認項目の整理に役立った
SEOやアクセス解析の設定には、サイトマップ、インデックス、転送、計測タグ、イベントなど、異なる種類の確認項目があります。
AIには、作業項目の洗い出し、確認順序の整理、設定後のテスト項目の作成を手伝ってもらいました。
特に役立ったのは、問題が起きたときに確認箇所を分けられたことです。
例えばお問い合わせが計測されない場合でも、フォーム送信、完了画面、計測タグ、イベント受信を順番に確認すれば、問題の範囲を絞り込めます。
一方で、検索結果への登録やアクセス解析には時間が必要です。AIが作業を支援しても、公開直後に結果を確定させることはできません。設定後の状態を継続して確認し、人が改善の判断をする必要があります。
まとめ
ホームページのリニューアルは、新しいページを公開した時点で終わりではありませんでした。
- XMLサイトマップでページ構成を伝える
- Search Consoleで取得状況と登録状況を確認する
- 古いURLから適切な新ページへ転送する
- GA4でサイトの利用状況を確認できるようにする
- お問い合わせ完了をイベントとして計測する
- 公開後も一定期間、数字と表示状態を確認する
こうした設定を行うことで、ホームページを「公開したもの」から「改善を続けられるもの」へ変えることができます。
SEOもアクセス解析も、一度設定すれば終わりではありません。検索エンジンの登録状況、利用者の動き、問い合わせまでの導線を確認しながら、必要な修正を積み重ねていきます。
次回は、今回のリニューアル全体を振り返り、AIに任せやすかった作業、人が判断する必要があった作業、実際に進めて分かった注意点を整理します。
ホームページ公開後には、SEOやアクセス解析だけでなく、ホームページで整理したサービス内容を契約関係書類へ反映する作業も進めました。詳しくは、「税理士事務所がAIで見積書・業務条件書・契約書を見直した実録」をご覧ください。
新星パートナーズ会計事務所
代表・税理士 井河 伸郎
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