マネーフォワード クラウド会計の「連携サービスから入力(通帳・カード他)」画面に、「クイック登録(β)」機能が追加されました。
自動仕訳ルールをあらかじめ整えている場合、対象となる仕訳候補を一括で登録できる機能です。
クイック登録(β)とは
「クイック登録(β)」では、「自動登録」にチェックを入れた自動仕訳ルールが適用された仕訳候補を、まとめて仕訳登録できます。
ただし、「自動登録」にチェックを入れただけで、自動的に仕訳が登録されるわけではありません。「連携サービスから入力」画面で「クイック登録(β)」をクリックし、確認画面で「実行」をクリックする必要があります。
利用するには、「自動仕訳ルール(通帳カード)」画面で、対象となるルールの「自動登録」にチェックを入れておく必要があります。
なお、この機能が追加される前から登録されていた自動仕訳ルールでは、「自動登録」がオフになっています。既存のルールを利用する場合は、設定を確認しましょう。
利用手順
操作は次の流れです。
- 「連携サービスから入力」画面で「クイック登録(β)」をクリック
- 確認画面で「実行」をクリック
- 完了後、「仕訳帳」で登録内容を確認
1回の操作で登録できる仕訳候補は最大1,000件です。
検索で絞り込んでも、表示中の年度全体が対象になる
利用時に特に注意したいのは、検索条件による絞り込みです。
「連携サービスから入力」画面で明細を絞り込んでいても、クイック登録の対象は検索結果だけではありません。現在表示している会計年度のうち、条件を満たす仕訳候補すべてが一括登録されます。
また、画面上で仕訳候補の内容を編集していても、クイック登録を実行すると、編集前の内容で登録されます。
そのため、実行前に自動仕訳ルールの内容と「自動登録」の設定を確認し、実行後は仕訳帳で登録結果を確認することが重要です。
freee会計にはサービス開始当初から自動登録ルールがある
freee会計にも、銀行口座やクレジットカードから取り込んだ明細を、ルールに基づいて自動登録する機能があります。
freeeは2013年3月にサービスを開始しました。2013年10月4日のfreee公式記事では、すでに「自動で経理」の自動登録ルールが紹介されています。正確なリリース初日から存在したかまでは確認できませんが、サービス開始当初から提供されてきた機能といえます。
現在のfreee会計では、自動登録ルールに合致した明細を自動で取引登録できるほか、最新の自動登録ルールを登録待ちの明細へまとめて適用できます。「明細の一覧」で絞り込み、選択した明細だけにルールを適用することもできます。
両者の主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | マネーフォワード クラウド会計 | freee会計 |
|---|---|---|
| 機能 | クイック登録(β) | 自動登録ルール |
| 一括処理 | 「自動登録」がオンのルールに合う候補を一括登録 | 自動登録ルールに合う明細を自動で取引登録 |
| 登録時の操作 | 「クイック登録(β)」を押し、確認画面で「実行」を押す必要がある | 自動登録ルールが適用されれば、原則として登録操作は不要 |
| 絞り込み | 検索で絞り込んでも、表示中の会計年度の対象候補すべてを登録 | 明細一覧で絞り込み、選択した明細へ適用可能 |
| 1回の上限 | 最大1,000件 | 「自動で経理」で未登録明細が1,000件以上の場合は一括適用不可 |
両者の大きな違いは、登録時に利用者の操作が必要かどうかです。freee会計では、自動登録ルールが適用されると、条件に合う明細が自動的に取引登録されます。一方、マネーフォワード クラウド会計では完全な自動登録ではなく、利用者が「クイック登録(β)」を実行することで、対象となる仕訳候補をまとめて登録します。
実際に使ううえでの感想
マネーフォワード クラウド会計に、利用者の操作で仕訳候補をまとめて登録できる仕組みが加わったことは、入力作業の効率化という点で歓迎したい改善です。
freee会計では、サービス開始当初から自動登録ルールが用意されており、自動化を前提とした運用が長く行われてきました。今回の機能追加によって、マネーフォワード クラウド会計でも定型的な明細をまとめて登録しやすくなりますが、現時点ではクイック登録の実行操作が必要です。freee会計のように、ルール設定後に明細が自動登録される仕組みとは異なります。
一方、現在のクイック登録(β)は、画面で検索・絞り込みをしていても、表示中の会計年度の対象候補すべてが登録されます。また、画面上で修正した内容ではなく、修正前の内容で登録される点にも注意が必要です。
個人的には、最初から多くの自動仕訳ルールを対象にするのではなく、毎月同じ内容で発生する預金利息、支払手数料、定額サービスなど、判断しやすい取引から試すのがよいと考えています。今後、対象明細を事前に確認・選択できるようになると、より安心して使いやすい機能になるでしょう。
自動仕訳ルールを整えている会社には便利
銀行口座やクレジットカードの明細が多く、同じ取引先や同じ内容の支払いが繰り返し発生する会社では、登録作業の短縮につながります。
一方、自動仕訳ルールが十分に整理されていない状態で一括登録すると、誤った勘定科目や税区分の仕訳がまとめて登録される可能性があります。
まず少数のルールから「自動登録」を設定し、登録結果を確認しながら対象を広げる方法が安全です。
本機能はβ版です。仕様が変更される可能性もあるため、利用時はマネーフォワード クラウド会計の公式案内をご確認ください。
最終確認日:2026年8月29日
新星パートナーズ会計事務所
代表・税理士 井河 伸郎
税務・会計に関する記事は、専門家の立場から内容を確認しています。
本記事は、一般的な情報の提供を目的としています。個別の取引や税務上の取扱いについては、契約内容や事実関係によって判断が異なる場合があります。また、掲載内容は記事作成時点の情報に基づいています。最新の情報は、各サービスの公式サイトや関係機関の公表資料をご確認ください。

