1人社長がfreeeアプリで立替経費を登録する方法|iPhoneで領収書を撮影して実測

1人社長の会社では、会社で使用する文房具や消耗品を、社長個人の現金やクレジットカードで購入することがあります。

このような立替経費は、領収書を受け取った時点でスマートフォンから保存できれば、後から領収書を探したり、まとめて撮影したりする手間を減らせます。

今回は、iPhone版のfreee会計アプリを使い、領収書の撮影、AI-OCRによる読み取り、取引先や品目の設定、取引登録までを実際に検証しました。

さらに、PC版freee会計で「ファイルの登録ルール」を設定した後、同じ領収書をもう一度スマートフォンから登録し、操作がどこまで減るかを確認しています。

検証日:2026年9月18日。iPhone版freee会計アプリを使用しています。アプリの画面や機能は、アップデートや契約プランによって変更される場合があります。

目次

先に結論|登録ルールの有無で処理方法を分ける

今回の検証では、iPhone版freee会計アプリからファイル登録ルールを作成・編集することはできませんでした。

一方、あらかじめPC版freee会計で作成したファイル登録ルールは、iPhoneアプリから撮影した領収書にも適用されました。

検証結果を踏まえると、次のように使い分ける方法がおすすめです。

状況おすすめの処理方法
ファイル登録ルールが設定されていないスマートフォンでは領収書をアップロードして「あとで登録」を選び、PCで取引を登録する
ファイル登録ルールが設定されているスマートフォンで「AI-OCRで取引登録」を選び、内容を確認して登録まで完了する

ルールがない状態でもスマートフォンから取引を登録できますが、支払方法、取引先、品目などを個別に設定する必要があります。

繰り返し利用する取引先については、PCでファイル登録ルールを設定してからスマートフォンで登録すると、手動操作を大幅に減らせます。

今回の検証条件

同じ店舗で受け取った2枚の領収書を使用しました。

  • 取引先:株式会社ハンズ
  • 購入日:2026年9月16日
  • 1枚目の金額:2,585円
  • 2枚目の金額:715円
  • 購入内容:事務用品
  • 支払者:会社の代表者
  • 勘定科目:消耗品費
  • 支払口座:役員資金
  • 品目:事務所用備品

freee会計では、社長が個人のお金で立て替えた支出について、支払方法を「経営者が立て替えた」、口座を「役員資金」として登録できます。

会社によっては、同様の取引を役員借入金や未払金などで処理する場合があります。実際の勘定科目や口座は、自社の会計処理に合わせて設定してください。

iPhoneで領収書を撮影する手順

1.ホーム画面から「レシート撮影」を選ぶ

freee会計アプリのホーム画面にあるショートカットから、「レシート撮影」を選択します。

2.領収書全体が入るように撮影する

領収書の日付、金額、取引先名などが読み取れるように、領収書全体を画面内に収めて撮影します。

撮影後、画像の範囲を確認してアップロードします。

3.領収書画像の処理方法を選ぶ

アップロード後、次の処理方法が表示されました。

  • 取引登録
  • AI-OCRで取引登録
  • あとで登録

1枚目と2枚目の最初の検証では、「取引登録」を選択しました。

今回確認したアプリでは、ファイル登録ルールがない状態で「AI-OCRで取引登録」を選ぶと、品目を設定できなかったためです。

「取引登録」を選んだ場合でも、撮影した領収書のOCR解析が行われ、金額、日付、勘定科目などが推測されました。

スマートフォンではアップロードだけにして、後からPCで登録する場合は「あとで登録」を選択します。

ルール未設定でもAI-OCRで読み取られた項目

ファイル登録ルールを設定していない状態でも、OCR解析によって次の項目が推測されました。

  • 支出金額
  • 発生日
  • 勘定科目「消耗品費」

1枚目の2,585円、2枚目の715円とも、金額と日付は正しく読み取られました。勘定科目も「消耗品費」が推測されています。

一方、ファイル登録ルールがない状態では、次の項目は自動反映されませんでした。

  • 支払方法「経営者が立て替えた」
  • 口座「役員資金」
  • 取引先「株式会社ハンズ」
  • 品目「事務所用備品」

支払口座は当初「現金」になっていたため、「役員資金」へ変更しました。

1枚目|取引先情報も登録

1枚目では、支払方法や品目の設定に加えて、取引先情報を登録する操作も行いました。

撮影とアップロード、処理方法の選択を除くと、主な手動操作は次のとおりです。

  1. 支払口座を「現金」から「役員資金」へ変更する
  2. 取引先の追加画面を開く
  3. 適格請求書発行事業者に該当する設定をオンにする
  4. 適格請求書発行事業者の登録番号を入力・確認する
  5. 取引先名を入力して保存する
  6. 品目「事務所用備品」を選択する
  7. 「適格請求書等に該当する」をオンにする
  8. 内容を確認して取引を登録する

登録番号を入力すると、公表されている番号かどうかをアプリ上で確認でき、名称が株式会社ハンズであることも表示されました。

取引先を初めて登録する場合は、取引登録とは別に、取引先名や適格請求書発行事業者番号の入力が必要になります。

2枚目|登録済みの取引先を手動で選択

2枚目も同じ株式会社ハンズの領収書です。1枚目で取引先情報を登録しているため、取引先を新たに作成する必要はありません。

ただし、ファイル登録ルールはまだ設定していなかったため、取引先や品目は自動反映されませんでした。

撮影とアップロード、処理方法の選択を除くと、主な手動操作は次の4つです。

  1. 支払口座を「現金」から「役員資金」へ変更する
  2. 登録済みの取引先「株式会社ハンズ」を選択する
  3. 品目「事務所用備品」を選択する
  4. 内容を確認して取引を登録する

株式会社ハンズを選択すると、「適格請求書等に該当する」がオンになり、税区分は「課対仕入10%」になりました。

取引先の適格請求書発行事業者情報は初回登録時に設定しているため、2枚目では登録番号を再入力する必要はありませんでした。

PCでファイル登録ルールを設定して再検証

次に、PC版freee会計で株式会社ハンズの領収書に対するファイル登録ルールを設定しました。

その後、2枚目と同じ715円の領収書をiPhoneアプリからもう一度撮影しました。

今度は、撮影後の処理方法として「AI-OCRで取引登録」を選択しています。

解析画面には「保存されている取引のルールを適用しています」と表示され、AI-OCRとファイル登録ルールによって次の項目が反映されました。

  • 金額:715円
  • 支払方法:経営者が立て替えた
  • 決済状況:決済完了
  • 口座:役員資金
  • 発生日:2026年9月16日
  • 取引先:株式会社ハンズ
  • 適格請求書等:該当する
  • 勘定科目:消耗品費
  • 税率:10%
  • 税区分:課対仕入
  • 品目:事務所用備品

入力内容を修正する必要はなく、登録画面で必要だった主な手動操作は「内容を確認して登録する」の1つだけでした。

登録画面で必要だった手数を比較

撮影、アップロード、処理方法の選択は、いずれの方法でも必要です。その後、登録画面で必要だった主な手動操作を比較すると、次のようになりました。

検証撮影後に選んだ方法登録画面の主な手動操作数
1枚目・取引先情報の登録あり取引登録8
2枚目・登録ルールなし取引登録4
2枚目・PCで登録ルール設定後AI-OCRで取引登録1

ここでいう手動操作数は、個々の文字入力や画面スクロールの回数ではなく、支払口座の変更、取引先の選択、品目の選択など、登録に必要だった主な作業項目を数えたものです。

取引先情報の登録が済むと8項目から4項目へ減り、ファイル登録ルールを設定すると、最終確認と登録だけになりました。

スマートフォンとPCのおすすめの使い分け

登録ルールがない場合

ファイル登録ルールが設定されていない場合は、スマートフォンでは領収書を撮影してアップロードするところまでにし、「あとで登録」を選択する方法がおすすめです。

アップロードした領収書は、後からPCで確認して取引登録します。PCであれば、支払口座、取引先、品目、税区分などを広い画面で確認できます。

スマートフォンから登録を完了したい場合は「取引登録」を選びますが、ルールがない状態では、支払口座、取引先、品目などを個別に設定する必要があります。

今回確認したアプリでは、「AI-OCRで取引登録」の画面から品目を設定できなかったため、品目を付けて登録する場合は「取引登録」を使用しました。

登録ルールが設定されている場合

繰り返し利用する取引先についてPCでファイル登録ルールを設定している場合は、スマートフォンで「AI-OCRで取引登録」を選び、そのまま登録まで完了する方法が便利です。

今回の検証では、支払方法、口座、取引先、品目、適格請求書の情報などが反映されました。

領収書を受け取った直後に撮影し、反映された内容を確認して登録すれば、領収書をためずに処理できます。

ただし、普段と異なる商品やサービスを購入した場合、税率が異なる場合、支払方法が違う場合などは、過去のルールをそのまま適用すると誤った登録になる可能性があります。

登録前に人が確認したい項目

AI-OCRやファイル登録ルールが適用されても、登録前には次の項目を確認します。

  • 領収書の金額と登録金額が一致しているか
  • 取引日が正しいか
  • 支出と収入を取り違えていないか
  • 勘定科目が購入内容に合っているか
  • 支払方法が「経営者が立て替えた」になっているか
  • 口座が「役員資金」になっているか
  • 取引先が正しいか
  • 品目が購入内容に合っているか
  • 適格請求書の判定と税区分が正しいか
  • 同じ領収書を重複登録していないか

特に、ファイル登録ルールは同じ取引先の過去の処理をもとに入力を効率化する機能です。今回の購入内容が過去と同じとは限らないため、登録前の確認は省略できません。

まとめ

iPhone版freee会計アプリでは、領収書を撮影し、OCR解析によって金額、日付、勘定科目などを読み取って取引登録できます。

ファイル登録ルールを設定していない状態では、支払口座、取引先、品目などの手動選択が必要でした。

そのため、登録ルールが設定されていない取引は、スマートフォンでは領収書をアップロードして「あとで登録」を選び、PCで取引登録する方法がおすすめです。

一方、PC版freee会計でファイル登録ルールを設定した後は、そのルールがiPhoneアプリにも適用されました。「AI-OCRで取引登録」を選ぶと、支払方法、役員資金、取引先、品目などが反映され、内容を確認して登録するだけになりました。

繰り返し取引でファイル登録ルールが設定されている場合は、領収書を受け取った時点でスマートフォンから登録まで完了すると、領収書をためずに経理処理を進められます。

AI-OCRと登録ルールにすべてを任せるのではなく、金額、日付、取引先、勘定科目、税区分、支払方法を人が確認したうえで登録することが大切です。

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監修

新星パートナーズ会計事務所
代表・税理士 井河 伸郎

税務・会計に関する記事は、専門家の立場から内容を確認しています。

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